公式が案内しているインストール方法は、次のワンライナーです。
curl -fsSL https://dev.meta.ai/install.sh | bash
この形式は、ダウンロードした内容をそのままシェルに流し込みます。中身を見ないまま実行することになるので、実際に何をするスクリプトなのかを確認しました。以下は2026年8月11日時点で配布されていたものの内容です。更新される可能性があるため、実行前にはご自身でも中身を確認してください。
先に結論
管理者権限は不要で、書き込み先はホームディレクトリ配下だけでした。ただしシェルの設定ファイル(.zshrc など)にPATHを追記する挙動があります。これは環境変数ひとつで止められます。
まず、中身を見てから実行する
パイプで直接流し込まず、いったんファイルに落とせば中身を読めます。
curl -fsSL https://dev.meta.ai/install.sh -o muse-install.sh less muse-install.sh
何をするスクリプトなのか
1. 二段構成になっている
install.sh 自体は本体を持っていません。https://api.meta.ai/muse-launcher.sh から「ランチャー」を取得して配置し、最後にそのランチャーを一度実行します。本体のダウンロードはランチャー側の仕事です。
2. 配置先はホーム配下だけ
既定の配置先は ~/.local/bin/muse です。MUSE_INSTALL_DIR を指定すれば変更できます。スクリプト中に sudo は一度も登場せず、システム領域には触れません。
MUSE_INSTALL_DIR="$HOME/tools/muse-bin" bash muse-install.sh
3. ダウンロード時の検証
取得には --proto '=https' --proto-redir '=https' --tlsv1.2 --max-redirs 3 が指定されており、HTTPSへの限定とリダイレクト回数の制限がかかっています。
取得後は bash -n で構文チェックを行い、壊れたファイルをそのまま置かないようにしています。さらにレスポンスヘッダに x-content-sha256 があればSHA256を照合します。ただしスクリプト内のコメントには「古い配信系はこのヘッダを送らない」旨が書かれており、ハッシュ検証は常に行われるわけではありません。
4. 既存と同じ内容なら置き換えない
すでに同じ内容のランチャーが置かれている場合、書き換えずに終了します。再実行しても無駄な入れ替えが起きない作りです。
注意したい点:シェル設定ファイルへの追記
インストール先がPATHに入っていない場合、スクリプトは利用者のシェル設定ファイルに次の1行を追記します。
export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH" # added by muse installer
追記先は使用中のシェルによって変わります。読み取った範囲では、対象になり得るのは以下です。
~/.zshrc(ZDOTDIRが設定されていればそちらを優先。~/.zshenvを解析して判定します)~/.bashrc、および~/.bash_profile/~/.bash_login/~/.profileのいずれか~/.config/fish/conf.d/muse.fish
すでに同じ行があれば重複追記はしません。とはいえ、設定ファイルを自動で書き換えられたくない場合もあります。その場合は次のように環境変数を渡します。
PATHを書き換えさせない
シェル設定ファイルへの追記を完全に止められます。インストール自体は通常どおり行われます。
MUSE_NO_MODIFY_PATH=1 bash muse-install.sh
この場合は ~/.local/bin/muse をフルパスで実行するか、自分でPATHを通してください。
その他、読んで分かったこと
- 必要な外部コマンドは
curlとmktempの2つだけです。無ければエラーで停止します。 umask 022を設定し、ランチャーには0755を与えています。trapで終了時に一時ファイルを消し、HUP/INT/TERMのシグナルにも終了コードを割り当てています(129/130/143)。中断しても中途半端なファイルが残りにくい作りです。- 一時ファイルはインストール先ディレクトリ内に
mktempで作られ、完成後にmvで置き換えます。別ファイルシステムをまたがないので、置き換えの途中で壊れにくくなっています。 set -euo pipefailが先頭にあり、途中でエラーが出れば止まります。
この記事の限界
ここで読んだのは install.sh だけです。実際にモデルを呼ぶ本体は、その先の muse-launcher.sh が取得します。本体側が何をするかは別途の確認が必要です。また内容は配信時点のもので、更新される可能性があります。
インストール後の認証
インストール後、muse を起動すると dev.meta.ai でのブラウザ認証(Metaアカウント)が必要になります。認証を済ませてから、APIのトークン従量課金で利用する流れです。料金はこちらにまとめています。